2017年8月25日 更新

【官能小説】元彼の甘美な誘い…濡れる人妻【前編】

海外引越しを控えたユキ。家族は円満だが、ふとよぎるのは昔身も心もとろけるような時間を過ごした譲のこと…もう一度…?でもそれは…

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ユキは多忙を極めていた。

夫の転勤でシアトルに引っ越すことになったのだ。

駐在の話というのは突然来るもので、悩む暇もなくあっという間に話は決まった。

夫は来週には単身で飛び立つことになっていた。
ユキも二ヶ月後には子供達を連れて渡米しなければならない。

英語も得意とは言えないユキにとっては楽しい引越しではなく、気の重い日々を送っていた。

そんな時、Facebookで元彼が日本にやって来ることを知った。

彼は、今家族でミラノに住んでいる。

引越しの手を止め、ユキはスマホを片手に過去に想いを馳せた…
譲とは、夫と知り合う前2年ほど付き合った。

付き合った、とは言え彼にはその時から妻がいて、いわゆる不倫だった。

いけないと知りつつも、あまりの体の相性の良さに、ずるずると合えばセックスをする関係を続けていた。
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夫と付き合いだしてすぐに譲とは別れた。

だけど事あるごとに誘いをかけてきては、ユキの心を揺さぶった。

譲にとってはセックス目的だっただろうけど、ユキは心も体も愛していたから。

叶わぬ恋に疲れ、でも別れられず…を繰り返していたユキ。

包容力のある、ユキだけを愛してくれる夫に出会ってようやく救われたのだった。

だから、裏切りはしなかった。

でも、忘れられることのできない、ユキの人生で一番濃い2年間だった。
譲は、ユキが長女を産んだ後、ミラノに移住した。

実は、その前に一度だけ会った。

譲は夜に会いたがったが、夜に会えばセックスをしてしまう自信が200パーセントあったユキは断り、ランチを一緒にした。

昼間の明るいレストランでも、譲はユキを女として…そう、とてもセクシャルな瞳で見つめ、口では何も言わずに強烈に誘っていた。

あの時流されなかった自分をユキは今でも誇りに思う。

それほど、譲の持つ引力はユキに対して強烈に働くのだった。
正直に言うと、お手洗いに立つ前から、ユキは自分が激しく欲情してトロトロに濡れていることがわかっていた。

あの目で見つめられるだけで胸は高鳴り、身じろぎすると固く尖ったクリトリスが愛液にまみれて擦れ、それだけでイキそうだった。

食事をする唇。

舐め取る舌。

セクシーを絵に描いたような男。

どうしてこの男がここにいて自分は服を着ているのか。

どうしてこの男がここにいるのに、私は触れられないのか。
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目の前の欲望の塊に求めてしまう前に、お手洗いでオナニーをした。

個室に入って一気にストッキングと下着を下ろし、指を差し込んだ。

熱く濡れそぼったそこはぬるりとユキの指を受け入れた。

クリトリスを触る。

漏れそうになる喘ぎ声を塞ぐために左手を唇に押し当てる。

目を固く閉じ、まぶたの裏には…譲が浮かぶ。

夫も家族も何も頭をかすめなかった。
昔の譲、そして今目の前でエロティックに物を食べ獲物を狙う目でユキを見つめる譲…

イくまでに、1分とかからなかったように思う。

クリトリスでイっただけでは体の疼きはおさまらず、中指を中に押し込む。

譲が愛したそこに、細い指を這わせる。

ぐっと指を曲げると、甘い痺れが体を走った。

「んっっ…!!」
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左手を超えて、切ない声が漏れる。

欲しい。

譲が欲しい。

今すぐに、ここで抱いて欲しい…!

「…!!!!」

中でイったユキは、まだだるさの残る体を動かして急いで身なりを整えた。

手を石鹸で洗い、鏡に映った姿を見ると、かすかに頰がピンクに染まり、いつもより艶かしく美しい気がした。
化粧室を出る。

誰も入ってこなかったし、誰にもばれるはずはない。

でも、レストランの化粧室で、今食事をしている男を思ってオナニーした事は、ユキ自身が知っている。

さりげなさを装って席に戻った。
食後のコーヒーが運ばれてきていて、譲はタバコを吸いながらコーヒーを飲んでいた。

「よかった?」

ユキが席に着くやいなや、なんでもないことを聞くように譲は言った。

「…!?」

思わずコーヒーカップを落としそうになった。

すると、背もたれから体を起こしてユキに顔を近づけた。
そしてかすかに鼻を鳴らし、目を瞑った。

「んー…。いやらしい匂い。何回イった?」

そして、開いた目は野獣のようにユキを熱い目で見つめていた。

頭の中で、シグナルが聞こえた。

だめだ。

だめだ。

このままいたら、絶対にこの男と愛欲にまみれた時間を過ごしてしまう…!!
反射的にユキは席を立った。

「げ、元気で…!」

スカートを翻して足早に店を出た。

…股間からどろりと熱いものが溢れるのを感じながら。
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LAYLA LAYLA