2017年1月10日 更新

媚薬〜亜美の生き方〜 【2】

刺激的なセックスをしたパリ時代は終わりを告げた。日本に帰った亜美を待っていたのは…



>>媚薬〜亜美の生き方〜 【1】は、こちらから



そして現在。

亜美は小さいながら自分の店を持つという夢を実現させた。

彼氏は、いない。

日本に帰ってから何人かと付き合ってその他にも何人かとセックスした。

でも、あのニコラとの欲望にまみれたセックスを知ってしまった亜美は、いつも物足りなかった。
男がすぐにイッてしまうことにも、あの時のような快感を得られないことにも不満だった。

でも、あのドラッグはもう使えない。違法となってしまったものには手を出さない主義だった。
でもその他にも媚薬と呼ばれるものは多く存在していると知り、時間を見つけては亜美はネットで検索した。

ある日、亜美は欲望に負けてネットショップで購入してしまった。

飲むタイプと、塗るタイプ。

飲むのは少し怖いので、まず塗るタイプから試そうと思った。
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試す、と言っても今は彼氏がいない。

フリーセックスに抵抗のない亜美は、ナンパでもされに行こうかと思っていた。

でもパティシエールの仕事は朝早く夜も遅い。

小さなチューブをポケットに入れたまま店じまいをしつつ悩んでいると、閉店のプレートをかけたはずのドアが開いた。
「すみませんがもう閉店で…」

顔を上げた時、亜美は手を止めた。

一瞬ニコラが現れたのかと思った。

よく見るとそんなはずはなく、日本人だ。

ただ背格好や雰囲気がどことなく似ていた。
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「閉店ですか…そうか、遅かったか。」

男は残念そうに言った。

昼に店の前を通り、甘いものに目のない彼は仕事後に食べようと思っていたらしい。
そうですか、またのお越しをお待ちしています。

そういえばよかったのだが、なんとなく目が離せなくて…

「あの…残り物ですけど…もしよろしかったら…」

そう言って箱を指さした。
男はパッと顔を輝かせた。

「本当ですか!嬉しいなあ!」

男に箱を渡そうとした時、ポケットのスマホが鳴った。

そして…スマホを出した時、一緒にチューブがコロコロと転がり落ちた。

男の、足元へ。
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亜美より一瞬早く、男がしゃがみ込み拾い上げた。

「おや…お好きなんですか?」

あくまでも紳士的な男。

パッケージにセクシャルな事が書いてあるわけではない。

見ただけでわかるということは、男はこれを知っているということ。

きっと、使ったことがあるということ。
しかし下卑た笑いも襲ってやろうという雰囲気も見せない。

そのスマートさに、ニコラをまた思い出してしまった。

もしかしたら、この人とだったら…
女の、勘としか言えなかった。

この男は、私を快楽の天国、いや地獄へと連れて行ってくれる。

初めて会った男にそんなことを確信していた。
「使って、みたいんです。」

亜美はその手に戻されたチューブを男の手に押し戻した。

「それはいいですよ。男も女も使えるし、粘膜にももちろん使えて肌荒れもしない。もちろん、合法です。」

男は微笑んだ。

まるで化粧品か何かについて話しているかのようだった。
「使ってみてもらえませんか、私に。」

そう言っても男は驚きもしない。

「いいんですか?出会って…そう、まだ2分も経っていませんよ?」

亜美は男の目を見ていった。

「十分です。」
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すると男は何かのスイッチが入ったかのように雰囲気を変えた。

「同感ですね。」

そう言って亜美の細い腰をグイと引き寄せ、亜美の唇をふさいだ。
「ここで?それとも場所を変えて?お望み通りにしましょう。」

さすがにガラス張りの自分の店でよがり狂うのは如何なものか。

二人は近くのラブホテルへと場所を変えた。
シャワーをそれぞれ浴びた二人は、ベッドにいた。
亜美はその美しい体を横たえ、バスローブを纏った男は腰をかけていた。

「いきなりでは面白くない。まずはあなたの体を知らなければ…」

そう言って、その指先は足に触れた。

気持ちのいい肌触り。

指の触れるところから快感の波が広がり始めた。
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男の愛撫はじれったいほどに緩やかだった。

全身を這ったはずの指は、肝心の乳首にもおまんこにも触れてくれない。

亜美はシーツに滴るほどに濡れているのを感じていた。

触って欲しくて仕方のない両乳首は、天井に向けて硬くそそり立っている。

男は、わかっているはずなのに決して触れない。


>>媚薬〜亜美の生き方〜 【3】は、こちらから



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LAYLA LAYLA