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3限、出席にはうるさいが退屈な講義を聞き流しながら結花は初めて巧と寝てしまった時のことを思い出していた。
あれはまだ玲子と付き合う前だった。
あれはまだ玲子と付き合う前だった。
1年の春、親睦を深めるとかなんとかいう課外活動に必修で全員参加していた。しかも2泊3日。大学に入っってまでこんなものがあるとは思っていなかった。
しかし必修となれば選択肢はない。こういったものが不得手でクールな結花も、
極力何もしないポジションで参加していた。
極力何もしないポジションで参加していた。
大学の行事で担当教官の引率ありといえど、日中の計画が済んでしまえば
教授たちもうるさいことは言わなかった。酒を飲むもの、夜出かけるもの…。
教授たちもうるさいことは言わなかった。酒を飲むもの、夜出かけるもの…。
結花もそのうちの一人で、飲んでいた。弱い方ではないが、少々酔っ払ってしまったので風に当たりに外に出た。
そこでタバコを吸っていた巧に出会った。
細マッチョというのだろうか、背も高く、男らしい体つき。
「吸う?」
一本もらって火をつけてもらう。
そこでタバコを吸っていた巧に出会った。
細マッチョというのだろうか、背も高く、男らしい体つき。
「吸う?」
一本もらって火をつけてもらう。
「ホストみたいね」
からかう結花に、真顔で言った。
「学校には内緒な。」
「え。」
からかう結花に、真顔で言った。
「学校には内緒な。」
「え。」
出会って数秒の男の秘密を知ってしまった。
その時雨が降り出した。
「こっち!」
巧に手を引かれ建物の裏に入った。この壁の裏ではまだみんな盛り上がっているらしい音が漏れている。
目があった。
その時雨が降り出した。
「こっち!」
巧に手を引かれ建物の裏に入った。この壁の裏ではまだみんな盛り上がっているらしい音が漏れている。
目があった。
結花の右手に持ったタバコをすっと取り、巧は咥えた。
「私の…」
言い終わる前に、唇を塞がれた。
「んっ!」
「私の…」
言い終わる前に、唇を塞がれた。
「んっ!」
「どう?口移し。」
そしてまた塞がれた。
そのまま私たちは外で繋がった。
そしてまた塞がれた。
そのまま私たちは外で繋がった。
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「かんぱ〜い!」
もう何度目の乾杯だろう。みんな結構酔っている。
結花は今日はあまり酔わない。食べてから飲むことに気をつけているから。空きっ腹に飲んで痛い思いをしたことが何度かある。
もう何度目の乾杯だろう。みんな結構酔っている。
結花は今日はあまり酔わない。食べてから飲むことに気をつけているから。空きっ腹に飲んで痛い思いをしたことが何度かある。
結局いつものメンバーだった。一人を除いて。
正人のバイト先が同じだという、5つ年上の南さん。たまたま買い出し中のコンビニで会ったとかで、正人が強引に連れてきたのだ。
「…すいませんね、子供の飲み会に付き合ってもらっちゃって」
隣になった時に結花は話しかけた。
正人のバイト先が同じだという、5つ年上の南さん。たまたま買い出し中のコンビニで会ったとかで、正人が強引に連れてきたのだ。
「…すいませんね、子供の飲み会に付き合ってもらっちゃって」
隣になった時に結花は話しかけた。
「ん?いえいえ、楽しいですよ。それに子供って。大学生でしょ。」
「子供ですよ、早生まれだからまだ19とかですもん。」
「えっまだ未成年か!」笑いながら言った。
「子供ですよ、早生まれだからまだ19とかですもん。」
「えっまだ未成年か!」笑いながら言った。
あごひげの、ちょっとだけワイルドな南さん。
巧もイケメンだけど、あいつは細マッチョかつ綺麗系。南さんは大人って感じがした。
大人なのは見かけだけじゃなくて、気の使い方とか話題の豊富さもで、結花はこの短時間に惹かれていった。
巧もイケメンだけど、あいつは細マッチョかつ綺麗系。南さんは大人って感じがした。
大人なのは見かけだけじゃなくて、気の使い方とか話題の豊富さもで、結花はこの短時間に惹かれていった。
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「じゃあ僕はそろそろお暇するよ。」
え…もう帰っちゃうんだ。。
でも確かに周りはみんな潰れてきたし、帰りどきなのかな。連れてきた正人なんかもう寝てる。
「送ります」
立ち上がって玄関に向かった。
「イヤイヤ女の子がこんな時間に何言ってんの。ここまででいいから。」
靴を履いている南さんの胸ポケットからスマホを抜き取った。
「こらこら」
素早く自分の番号を打ち込み、ワン切り。部屋の奥で着信音が鳴った。
「…連絡してもいいですか?」
「いいよ。」
意味がわからないはずないのに、それまでと何も変わらない笑顔で返された。
え…もう帰っちゃうんだ。。
でも確かに周りはみんな潰れてきたし、帰りどきなのかな。連れてきた正人なんかもう寝てる。
「送ります」
立ち上がって玄関に向かった。
「イヤイヤ女の子がこんな時間に何言ってんの。ここまででいいから。」
靴を履いている南さんの胸ポケットからスマホを抜き取った。
「こらこら」
素早く自分の番号を打ち込み、ワン切り。部屋の奥で着信音が鳴った。
「…連絡してもいいですか?」
「いいよ。」
意味がわからないはずないのに、それまでと何も変わらない笑顔で返された。
南さんが帰った後、終電で帰る組も帰り支度を始めた。自転車で来たのは圭介と泰子ちゃんと私だけだ。
寝ていた正人も電車で帰る女の子たちに無理やり起こされ、二人を送りつつ帰って行った。
キッチンで軽く洗い物をしていると、圭介がやってきてこそこそと言った。
「俺泰子ちゃん送ってくから、結花一人で帰れる?」
ああそういうことか。前から圭介は泰子ちゃんのことが好きだ。ここは気をきかせることにした。
しかし、気をきかせた結果巧と二人になってしまった。
南さんのことが気になるし、今日はちょっとイヤ…なんていうのは巧と私の間では難しい。
なんだろう拒めない。欲しくなる。お酒も飲んだし、多分もう濡れてる。
寝ていた正人も電車で帰る女の子たちに無理やり起こされ、二人を送りつつ帰って行った。
キッチンで軽く洗い物をしていると、圭介がやってきてこそこそと言った。
「俺泰子ちゃん送ってくから、結花一人で帰れる?」
ああそういうことか。前から圭介は泰子ちゃんのことが好きだ。ここは気をきかせることにした。
しかし、気をきかせた結果巧と二人になってしまった。
南さんのことが気になるし、今日はちょっとイヤ…なんていうのは巧と私の間では難しい。
なんだろう拒めない。欲しくなる。お酒も飲んだし、多分もう濡れてる。
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