2017年9月9日 更新

【官能小説】セレブパーティーはひとときの甘い夢【2】

叶わぬ恋に悩む由良は、セレブパーティーでの演奏を始めた。誰かの視線が注がれているとも知らずに…

1度目の休憩時間になった。

控え室に戻ってもいいし、招待客に混ざって食事をしたりしてもいい、とのことだった。

沙希子はもちろんまだ諦めず、シャンパン片手にあちらこちらへ蝶のようにひらひら舞っている。

おじさまたちには可愛がられているようだった。

あとの二人もビュッフェをつまんでいる。

付き合いだして数ヶ月、まだまだラブラブのようだ。
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由良はどうしようかと悩み、でも華やかなところは苦手なので控え室に戻ることにした。

建物の入り口で、一人の男とすれ違った。

ちょっとぶつかりそうになり、「すみません」といって見上げたその先の顔に由良は息を飲んだ。
「先生…」

「え?」

上質そうなフォーマルに身を包んだ男は、驚くほど広谷に似ていた。

年も、同じくらい。

「あ、すみません…知り合いによくにてらっしゃったんで…」

由良は慌てて頭を下げた。
「いいんですよ、僕は…あなたの先生に似ているの?」

男は品良く微笑んだ。

「あ、はい…とても…」

耳まで赤くなっていくのがわかる。

「あなたも、私の知り合いにとてもよく似ている。」

顔を覗き込む。
「休憩ですか、何か飲み物でも持ってきましょう。」

普段の由良なら、こんな誘いには乗らない。

でも、広谷によく似た顔で優しくされると…ついうなずいてしまった。
アルコールに弱い由良は、ノンアルコールカクテルを頼んだ。

強い日差しを避けて、木陰のベンチに座った。

「あの…私がお知り合いの方に似ているって…」

男はシャンパンを飲み、答えた。

「ああ。そうなんです。さっきから魅力的だと思っていたチェロを弾く女性によく似ていて。」
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一瞬意味の分からなかった由良。

だけどさすがに口説かれていることに気づいた。

この、広谷の顔の男に…。

「あなたがチェロを抱えるようにして弾く姿は実に魅力的だ。その背中の後ろから抱きかかえたくなってしまう。」
ドキン…

それは、由良がいつも夢見ていたこと。

「それからその耳元に唇を這わせたいし、もっと触れたくなる。」

由良は、キュンとお腹の奥が痺れるのを感じた。

「出会ってすぐの女性にこんなことを言うなんて、非常識ですか?」

男は、由良の目をじっと見つめて言った。
その時、視界の端に悠太郎が手招きする姿が見えた。

休憩が終わりだと身振りで告げていた。

「私行かないと…」

それだけ言って、ベンチから離れた。

「また後で、お嬢さん…」

背後から男の声がした。

そう、声まで広谷に似ている。

なんども妄想して一人あそこを濡らした、広谷の声が…もしこの耳元で囁いたら…
休憩後の演奏に戻った。

と言ってもさっきと同じ曲を繰り返し弾くだけだった。

由良は集中力を欠いていた。

自分の弾くチェロの音が、あそこに響く気すらした。

その時、さっきの男がこちらを見ているのに気づいた。
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男は由良の目から視線を外さず、シャンパンを舐めた。

その、ゆっくりと動く舌…グラスを持つ細い指…

由良の頭を妄想が駆け巡る。

広谷と、視線を送るフォーマルに身を包んだ男が交互に頭の中で由良を誘う。

「由良っ…!」

千佳の声でハッとした。

由良は、一人全く違う所を弾いていた。
2度目の休憩時間。

「由良、しっかりー。お酒なんて飲んじゃダメだよあんた弱いんだから。」

千佳が肩を叩いて悠太郎と去っていく。

「何やってんだろ…」

由良は控え室に戻ることにした。

さっき男とすれ違ったドアを抜け、カチリと鍵を開けて部屋に入る。

白い大きなカーテンが揺れている。

窓が…開いたままだった。
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椅子に腰掛け、チェロを構えた。

ちょっと集中しないと…

その時、後ろから抱きすくめられた。

「ひっ…!」

「私です…」

耳元で男が囁いた。
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「動揺させてしまったみたいですね。お詫びに伺いましたよ。」

身動きの取れない由良。

「どうして…」

「ああ、僕はここの主催者と非常に仲が良くて。控え室などすぐに教えていただけました。」

男は由良の髪に顔を埋め、その香りを吸い込んだ。

由良は、頭皮が一気に泡立ったように感じた。

どろりと、ドレスの下から由良の中の「女」が起き上がるのを感じた。
「僕が気になって、演奏に集中できなかったのでは?」

男は、自信に満ちた声で尋ねた。

声が、振動が体に伝わる。

そしてその手は、ドレスから露出した腕をなぞっていた。

由良は手に弓とチェロを持ったまま固まっていた。

さっきまで引いていたポジションのまま、無防備なまま。

男の手はウエストに回り、後ろからおっぱいへ手を伸ばす。
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LAYLA LAYLA