2017年7月4日 更新

【体験談】秘密の恋は蜜の味

終業のチャイムを聞きながら足早にキャンパスを後にする。「いつもの場所で待ってる。早く来て。」携帯を開くと彼からのメッセージが目に入った。

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終業のチャイムを聞きながら足早にキャンパスを後にする。

「いつもの場所で待ってる。早く来て。」

携帯を開くと彼からのメッセージが目に入った。



しばらく学内の庭園を歩いて人気のない駐車場に足を踏み入れると、いつもの車が止まっていた。

夕暮れ時の寂しい光が、車体を鈍く照らしていた。

誰も周囲にいないかきょろきょろと確認しながら、助手席のドアを開けおもむろに中にのりこむ。

無言のまま彼は車を出発させ、学内から公道に出た。しばらく走るといつもの側道に車を止めた。

ここまでくれば誰にも見つかることはない。

「会いたかったよ、桜子」

そっと脚の間に手が置かれる。耳にかかる吐息で、体は正直に火照る。

「今度の土曜日だよね?」

「うん、君も絶対気に入る部屋を予約しておいたよ。チェックインの前においしいパスタも食べよう。」



彼は私が所属する研究室の担当教員で、年頃の二人の娘さんがいた。そしてもちろん、誰もがうらやむ美貌の持ち主である奥さんも。

それなのにずるずるとこんな関係が続いているのは、やはり若さは武器になるということだろうか。



下着の中にするりと指が入ってきた。熱っぽく濡れた果実を、そっとなぞる彼の指はひんやりとして心地よかった。

「あっ…もっと奥…」

だめだとわかっているのに求め続けてしまうのはなぜだろう。

どこかで読んだ「秘密の恋は蜜の味」という言葉が浮かぶ。

「ここ?すごーい、もうトロトロじゃん。何がほしいのかな?」

そう。だめだと分かればわかるほど、もっとあたしを見てほしくて。

あたしだけを見てほしくて、時折無理なお願いもしてしまう。

「帰らないで朝まで私をドキドキさせて。」

彼が首筋に舌を這わせた。バックシートに移動して、二人はひたすら情事にふけた。
一番罪悪感が膨らむのは、彼の携帯の液晶画面に娘さんからのメッセージが届くのを見てしまったときだ。

一人は受験期真っ只中のようで、大学では採点官も務める父を頼りに受験に関する質問をして来るのだった。

つい数年前の私がそこにはいた。期待に胸膨らませながら飛び込んだ研究の世界。

こんなにも苦しく、道ならぬ恋に身もだえることになろうとは全く予想していなかった。

「不倫にハマる危険な女子4タイプ」

ふと目に留まったまとめ記事で一番最初に挙げられていたのは「まじめでいい子ちゃんタイプ」だった。

そうか。私が彼にはまってしまうのは世間一般的に見てよくあるパターンなんだな。

ここで道を踏み外すまで、親を悲しませたことも、学校の先生の手を焼かせたことも一度もなかった。私はただひたすらに正しくピュアに生きていたのだ。

どうしてここまで汚れてしまったのだろう…



「ほらほら、そこに見えるのが今日の目的地でーす」

はっとして見上げると高層ホテルが立ちはだかっていた。

「こんな高そうなところ…お金の使い道とかで奥さんにばれたりしないの?」

「大丈夫、大丈夫。小遣いの使い道までチェックされちゃやってられんだろ。」

彼のおすすめのパスタを楽しみ、さっそく部屋に移動。

部屋の扉を閉めるなり、濃厚なキスの嵐が降り注ぐ。彼は我慢できないのか、さっさと私の服を剥いでいく。

彼だけが床にひざまずき、股を開いて立った私を見上げるようにして、あふれ出た蜜を舌ですくった。

しびれるような甘い刺激が体中を駆け巡る。

「もうこんなに濡らしてちゃだめだろ、お仕置きが必要だな」

鏡の前に脚を開いた状態で座るという指示に従うと、すかさず彼は見えるように蜜のでどころをまさぐった。

深い快感でドキドキした。「秘密の恋は蜜の味」ひたすらこのフレーズを頭の中で繰り返しながら、私たちは数時間休むことなくお互いをむさぼった。



疲れ切って眠る彼の横顔を拝みながら、私は泣いていた。

また、やってしまった。多くの人を裏切った。自分の罪を見て見ぬふりをした。

どうして自分はこんなに愚かなんだろう。そしてどうして目の前に眠るこの男は、私を薄暗い闇へ引きずり込もうとするのか。

彼を愛する気持ちが止まらないのは、彼以外に自分を受け入れてくれる場所がないと考えてしまうからなのだ。

確かに、家庭環境は複雑を極めていた。うつ病の母、定職に就かず家族に暴力を振るう父、家出を繰り返す反抗期の妹。

でも、彼が自分の居場所になるときは一生待ってもこないだろう。

自分の居場所になるべきなのは、私だけを深く愛し、ほかでもないこの私と幸せな家庭を築くことを願ってくれる、そんな人だ。



そんな人に出会ったとき、こんな自分のみじめな姿は見せられない。

まだ見ぬ愛する人を、でもきっと現れる愛すべき人を、全身で愛するために。

私はここできちんと認めなければならない。彼は私の選ぶべき道ではないことを。



手早く着替えてそっと部屋を後にしようとする。

「…愛してる…」

そんな寝言を聞いて思った。

彼もまた、自分の居場所がほしくて彷徨う、孤独な人なのだと。

部屋を出て、彼の個人的な連絡先をすべて消し、登録名を変えた。「○○先生」



さようなら、迷っていた私。

(20代前半 女性)
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