オネエタレントの皆様がよく「工事済なの~」というけれど、いったい工事ってどういう事?と思っている方もいますよね。今回はちょっと詳しく、その工事について取り上げてみます。
性別適合手術を受ける前に、性同一性障害の人がやること
「性別適合手術」という言葉を聞いたことがある人は、もうそんなに少なくないかと思います。
最近ではKABAちゃんが海外で手術をしてきたというニュースもありましたので、割と一般の方にも耳馴染みのある言葉となってきました。
「性同一性障害」の人が受けるもの、という認識で一般的には知られていますが、その手術までの道のりはとても遠いものだということは、まだ一部の人にしか知られていません。
どのように手術に至るか、という事をお話したいと思います。
最近ではKABAちゃんが海外で手術をしてきたというニュースもありましたので、割と一般の方にも耳馴染みのある言葉となってきました。
「性同一性障害」の人が受けるもの、という認識で一般的には知られていますが、その手術までの道のりはとても遠いものだということは、まだ一部の人にしか知られていません。
どのように手術に至るか、という事をお話したいと思います。
1.カウンセリング
まずは、現状を医師たちが把握するために、カウンセリングを行います。
精神科医、カウンセラーに当事者本人のことをお話します。
当事者本人が大人ならば、それまでの半生や現在の生活状況などを精神科医、カウンセラーに話します。
その期間は人にもよりますが、1~2年ほどです。
当事者本人の気持ちとしては「頭がおかしいわけじゃないのに精神科に行かなければならないのが苦痛」というのが本音の部分ではあります。
しかし、簡単に性別を変えるという事ができないよう、そして、性別を変えた後の生活を考えるとなると、やはりこのくらいの期間をかけてじっくりと周りの環境を整えたり、自分のことを知ってもらう必要があるのです。
精神科医、カウンセラーに当事者本人のことをお話します。
当事者本人が大人ならば、それまでの半生や現在の生活状況などを精神科医、カウンセラーに話します。
その期間は人にもよりますが、1~2年ほどです。
当事者本人の気持ちとしては「頭がおかしいわけじゃないのに精神科に行かなければならないのが苦痛」というのが本音の部分ではあります。
しかし、簡単に性別を変えるという事ができないよう、そして、性別を変えた後の生活を考えるとなると、やはりこのくらいの期間をかけてじっくりと周りの環境を整えたり、自分のことを知ってもらう必要があるのです。
そのカウンセリングで得た情報をもとに、医学会で
「性別適合」のための治療が必要かどうかということを審査されます。
場合によっては、当事者本人が「体の性を変えなくても生きていけるかもしれない」と思い直すこともあります。
一番優先されるのは「当事者本人の希望」です。
医師たちによって審査されるものの、最終的には当事者本人がどうしたいか、今後も希望の性で暮らしていくことでの不都合が生じることと戦えるか、という部分で話し合われるのです。
これには数か月の時間を要します。
その後、当事者本人が求めるのであれば「治療」に入っていきます。
「性別適合」のための治療が必要かどうかということを審査されます。
場合によっては、当事者本人が「体の性を変えなくても生きていけるかもしれない」と思い直すこともあります。
一番優先されるのは「当事者本人の希望」です。
医師たちによって審査されるものの、最終的には当事者本人がどうしたいか、今後も希望の性で暮らしていくことでの不都合が生じることと戦えるか、という部分で話し合われるのです。
これには数か月の時間を要します。
その後、当事者本人が求めるのであれば「治療」に入っていきます。
2.ホルモン治療
最初は「ホルモン治療」です。
MTF(男から女)の場合は女性ホルモンを、FTM(女から男)の場合は男性ホルモンを投与します。
大人になってからの治療のケースが多く、2次性徴を迎える前の段階では現在はこうした治療をするケースは非常に少ないです。
MTFが女性ホルモンを投与されると、乳房が大きくなり、体が丸みを帯びてきます。
筋肉量が減り、脂肪量が増えてきます。声の変化もありますがあまり顕著ではありません。
FTMの場合は、ひげが生えてきたり、筋肉質な体になっていきます。こちらの場合は声変わりはとても顕著に表れてきます。
しかし、ホルモンバランスがそれまでと違ってくるため、肌荒れが起こってニキビが増えたり、情緒不安定になってしまったりすることもあります。
MTF(男から女)の場合は女性ホルモンを、FTM(女から男)の場合は男性ホルモンを投与します。
大人になってからの治療のケースが多く、2次性徴を迎える前の段階では現在はこうした治療をするケースは非常に少ないです。
MTFが女性ホルモンを投与されると、乳房が大きくなり、体が丸みを帯びてきます。
筋肉量が減り、脂肪量が増えてきます。声の変化もありますがあまり顕著ではありません。
FTMの場合は、ひげが生えてきたり、筋肉質な体になっていきます。こちらの場合は声変わりはとても顕著に表れてきます。
しかし、ホルモンバランスがそれまでと違ってくるため、肌荒れが起こってニキビが増えたり、情緒不安定になってしまったりすることもあります。
こうして、1~2年のカウンセリング、審査、そして、2年間のホルモン投与があってのち、やっと「性別適合手術」を受けることができるようになります。
非常に時間のかかることですので、人によっては公式なガイドラインに乗っ取らず、裏社会でやってくれる医師を探したり、海外での手術を検討する場合もあります。
非常に時間のかかることですので、人によっては公式なガイドラインに乗っ取らず、裏社会でやってくれる医師を探したり、海外での手術を検討する場合もあります。
性別適合手術を受けられる病院…国内でもできるの?
性別適応手術を受けられる病院は、現在日本では数が限られています。
・岡山大学病院形成外科
・埼玉医科大学総合医療センター
・関西医科大学
・大阪医科大学
・札幌医科大学
こちらの5つがきちんとした実績のある病院となっています。
埼玉医大に関しましては、担当医だった先生が定年退職をされてから一度中断になっていましたが、最近新スタッフにより再開が確認されています。
これ以外の病院でも、体の一部分の手術が行われている病院は意外とあります。
例えば、乳房切除や、睾丸切除といったものであれば、整形手術の一部と見なされることも多いため、各地のクリニックで行うことができます。
ただし、その場合の料金は保険がきかず、高額な費用が掛かってしまいます。
ガイドラインにのっとった形成術であれば、保険適用、料金も若干安く上がります。
また、一番手っ取り早い方法で、日本でも人気のある手術の受け方としては、
性同一性障害の自助グループが行っている「手術ツアー」に申し込むこと。
こちらはガイドラインにのっとっていなくても手術を受けることができます。
タイでの手術になりますので、言葉が通じなかったり、アフターサポートがどうしても手薄になるといったデメリットがあります。
・岡山大学病院形成外科
・埼玉医科大学総合医療センター
・関西医科大学
・大阪医科大学
・札幌医科大学
こちらの5つがきちんとした実績のある病院となっています。
埼玉医大に関しましては、担当医だった先生が定年退職をされてから一度中断になっていましたが、最近新スタッフにより再開が確認されています。
これ以外の病院でも、体の一部分の手術が行われている病院は意外とあります。
例えば、乳房切除や、睾丸切除といったものであれば、整形手術の一部と見なされることも多いため、各地のクリニックで行うことができます。
ただし、その場合の料金は保険がきかず、高額な費用が掛かってしまいます。
ガイドラインにのっとった形成術であれば、保険適用、料金も若干安く上がります。
また、一番手っ取り早い方法で、日本でも人気のある手術の受け方としては、
性同一性障害の自助グループが行っている「手術ツアー」に申し込むこと。
こちらはガイドラインにのっとっていなくても手術を受けることができます。
タイでの手術になりますので、言葉が通じなかったり、アフターサポートがどうしても手薄になるといったデメリットがあります。
MTFの場合
男性から女性に、体を変える方法としては2つあります。
陰茎会陰部皮膚翻転法
尿道と直腸の間を切ってスペースを作り、そこに海綿体、陰茎、精巣を除去した陰嚢の皮膚を血流を残したまま移植して膣を形成する。
大腸法
尿道と直腸の間を切ってスペースを作り、下腹部を15cm程度開腹して、大腸の肛門側部分であるS字結腸を10数cm切り取り、造膣をおこなう。性交渉を重視する場合に用いられる手法。分泌される腸液がバルトリン腺液に似た効果を与えるが、つねに分泌し続けるためにナプキンなどで常時ケアをしなければならない。
この二つの方法が良く使われています。
が、どちらかというと、陰茎会陰部皮膚翻転法が現在は主流となっており、大腸法はこれが行えない場合に取られる手法となっています。
男性から女性の場合、切り取ったものがそのまま利用できることも多いため、どちらかと言えば簡単と言われていますが、術後のケアは長期間に渡って行わなければなりません。
私の友人のMTFのお姉さんは「ずっと生理に憧れてて、手術後血が止まらないからナプキンしてるんだけど、生理ってこんな感じかな?って思ったらうれしくて…」と大変な話を、冗談交じりに話してくれましたが、実際生理はそんな長期間じゃないよ~(笑)と突っ込みたかったです。
が、どちらかというと、陰茎会陰部皮膚翻転法が現在は主流となっており、大腸法はこれが行えない場合に取られる手法となっています。
男性から女性の場合、切り取ったものがそのまま利用できることも多いため、どちらかと言えば簡単と言われていますが、術後のケアは長期間に渡って行わなければなりません。
私の友人のMTFのお姉さんは「ずっと生理に憧れてて、手術後血が止まらないからナプキンしてるんだけど、生理ってこんな感じかな?って思ったらうれしくて…」と大変な話を、冗談交じりに話してくれましたが、実際生理はそんな長期間じゃないよ~(笑)と突っ込みたかったです。
また、乳房に関する手術は、女性ホルモン投与である程度大きくなるため、特別にその手術をするというのは豊胸と同じ、という考えがあります。
ですので、豊胸手術は基本的には性別適合手術には入らず、各地のクリニックで「豊胸手術」を行うことで解決します。
ですので、豊胸手術は基本的には性別適合手術には入らず、各地のクリニックで「豊胸手術」を行うことで解決します。
FTMの場合
対して、女性から男性への性別適合手術には、いくつかの段階が必要となってきます。
1.子宮卵巣摘出術
子宮と卵巣を切除し、摘出します。
2.膣粘膜切除・膣閉鎖術
膣の内壁を切除し、膣を閉じます。
3.尿道延長術
膣の外側にある、大小陰唇や膣前壁皮弁の皮膚などの組織を切り取って、移植し尿道を作ります。
男性の尿道に比べて、女性の尿道は3センチ程短いため、ペニスを作る際に尿道を延長しておかねば、尿の排出ができなくなるためです。
男性の尿道に比べて、女性の尿道は3センチ程短いため、ペニスを作る際に尿道を延長しておかねば、尿の排出ができなくなるためです。
4.陰茎形成術
ペニスを作ります。
これにはいくつか方法があります。
おなかの皮膚や組織を使ってペニスを新しく作る方法、男性ホルモンによって肥大したクリトリスを上向きになるようにひっくり返し小さなペニスを作る方法、腕の組織を切り取ってペニスの形を作り、それをくっつける方法の3つが主流となっています。
それぞれ、メリットデメリットがあるものの、2つめの小さなペニスを作る方法が、傷も残らずサイズも大きくすることが可能で、立ったままおしっこができるという事で当事者には人気です。
これにはいくつか方法があります。
おなかの皮膚や組織を使ってペニスを新しく作る方法、男性ホルモンによって肥大したクリトリスを上向きになるようにひっくり返し小さなペニスを作る方法、腕の組織を切り取ってペニスの形を作り、それをくっつける方法の3つが主流となっています。
それぞれ、メリットデメリットがあるものの、2つめの小さなペニスを作る方法が、傷も残らずサイズも大きくすることが可能で、立ったままおしっこができるという事で当事者には人気です。
5.陰嚢形成
いわゆる玉袋を作ります。大陰唇の組織の中にシリコンを入れて、玉袋の形を作ります。
この5段階を経て、やっと男性の体を手に入れることができます。
どちらかというとFTMの方が時間も労力もお金もかかります。
一回の手術で済むわけではなく、何度も手術を受けなくてはなりませんので、体への負担もかなりかかってきてしまいます。
乳房に関しましてはMTF同様、乳房の切除という整形術と見なされますので、性別適応手術には入りませんが、希望があれば一緒にやってくれる病院もあります。
どちらかというとFTMの方が時間も労力もお金もかかります。
一回の手術で済むわけではなく、何度も手術を受けなくてはなりませんので、体への負担もかなりかかってきてしまいます。
乳房に関しましてはMTF同様、乳房の切除という整形術と見なされますので、性別適応手術には入りませんが、希望があれば一緒にやってくれる病院もあります。
まとめ
とてもまじめな記事になってしまいましたが、いかがだったでしょうか?
テレビに出ているオネエタレントさんや、おなべさんで「工事済み」という人々はこうした苦難を乗り越えた人たちなのです。
とはいえ、「工事すればすごい、えらい、良い」というわけではありません。
その人が何を望んでいるのか、どんな生き方をしたいのか、という事が大事なのです。
単純に「男になる」「女になる」と言って簡単にできることではないものの、各地で「やるんじゃなかった」という声も絶えません。
その裏側には、失敗して、体が欠損することや死んでしまうというリスクも潜んでいます。
性同一性障害=性別適合手術を受ければいい、という話ではないという事、当事者も含め理解しておくべきことだと思います。
テレビに出ているオネエタレントさんや、おなべさんで「工事済み」という人々はこうした苦難を乗り越えた人たちなのです。
とはいえ、「工事すればすごい、えらい、良い」というわけではありません。
その人が何を望んでいるのか、どんな生き方をしたいのか、という事が大事なのです。
単純に「男になる」「女になる」と言って簡単にできることではないものの、各地で「やるんじゃなかった」という声も絶えません。
その裏側には、失敗して、体が欠損することや死んでしまうというリスクも潜んでいます。
性同一性障害=性別適合手術を受ければいい、という話ではないという事、当事者も含め理解しておくべきことだと思います。
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