初心者、女性も大丈夫！入りやすい大手アダルトショップ、エムズさんに取材してみた！：開発者様インタビュー編

はじめに

2回に渡ってアダルトショップ店内の雰囲気や「大人のデパートエムズ」さんの売れ筋商品、運営コンセプトなどをレポートいたしました。

過去の記事はこちらのリンクからどうぞ。

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初心者、女性も大丈夫！入りやすい大手アダルトショップさんに取材してみた！：店舗取材前編

初心者、女性も大丈夫！入りやすい大手アダルトショップさんに取材してみた！：店舗取材後編

なんと今回は、エムズオリジナル商品の開発を担当されている開発者の方にインタビューさせていただきました！

大人のデパートエムズ　商品開発、Mさん

凛とした印象の物腰柔らかで素敵な女性です！
女性のことを考えた、女性目線の商品開発をされています！

また、前回から引き続き、広報の八十島（やそじま）さんもインタビューに加わっていただきました。

大人のデパートエムズ　広報、八十島（やそじま）さん

とても明るく朗らかで、気さくなお方です！
前回に引き続き、商品開発インタビューもサポートしてくださいました！

お二方から商品の開発秘話や女性用商品へのこだわりなども伺いましたので、レポートしていきます！

女性用アダルトグッズ、開発のきっかけは？

編集部（I）：エムズさんが女性用アダルトグッズを開発されるのに至ったきっかけは何だったのでしょうか?

商品開発M：以前はアダルトショップといえば男性が行くというイメージだったと思うのですが、その当時、弊社は先駆け的にカジュアルな雰囲気の店舗を打ち出しました。
その結果、カップルのお客様もかなり多く来店されるようになりまして、女性向けの商品も開発して行こうという運びになりました。

エムズオリジナル商品の特徴とは？

編集部（I）：エムズオリジナル商品の特徴は何でしょう？

商品開発M：弊社は自社工場を持っていないため、生産能力という点では他社さんと勝負できないところもあります。そのため、「需要が確実にある」という部分を見極めて商品を開発しております。
エムズオリジナル商品のアイテム数は多くありませんが、お蔭様でロングセラー商品が多く、需要がある商品を生み出せているのではと思っております。

編集部（I）：「需要に特化している商品が多い」ということが特徴ですね。

八十島：本社の近くに店舗があり、売り場の声を近くで聞くことができるため、店舗の売れ筋情報をキャッチしやすい環境にあることも、商品開発の大きな力になっているのではないかと思います。

編集部（I）：売り場の声は大きなポイントですよね。
しかし、ロングセラー商品が多いというのはすごいですね。
まさに需要を聞き入れて商品開発を行った結果ですね！

商品開発について

エムズオリジナル商品はロングセラーで愛されているものが多いと伺いましたが、長い期間、愛用される商品というのは時間を費やして、相当苦労されて開発されているのではないでしょうか？
そこで、エムズ売れ筋ランキング1位にランクインした、エロティックラヴァーズなどの商品開発について質問しました。

Erotic Lovers エロティックラヴァーズについて

Erotic Lovers エロティックラヴァーズの詳細はこちら

編集部（I）：エロティックラヴァーズを開発されたきっかけは何だったのでしょうか？

商品開発M：初期の頃のバイブレーターは、女性が使うものでありながらも男性がビジュアル的に使っている女性の姿を見て嬉しいグッズだったように思います。
女性向けという名目上の商品でも開発しているのは男性で、男性視点に寄っている商品が多い傾向にありました。男性視点で「これが嬉しいんだろう？」という商品も多くて。

編集部（I）：なるほど。女性が開発することで女性が嬉しい商品へと変化させたかったということですか？

商品開発M：そうですね。今までのバイブレーターですと、おそらくパートナーの男性の方が「使いたい」と言えば女性も受け入れるかもしれませんが、女性が自ら一人で使ってみようとはならないと思うんです。
やはり女性が自身の中に挿入するものですし、素材や見た目、色合いにもこだわり、抵抗を感じずに使用できる商品になるよう意識しています。

編集部（I）：エロティックラヴァーズは色もホワイトで清潔なイメージを持ちますよね。

商品開発M：開発当時はバイブレーターというとスケルトンタイプが多く、色も黄緑やらオレンジ、または黒々とした黒光りするようなものが多かったんです。
そういったキツイ色合いのものではなく、もう少し「無垢」なイメージで制作しようと思いました。
エロティックラヴァーズは素材にゲルトーマを使用しており、とても柔らかいのですが、ホワイトとピンクでさらに「ほんわか」としたイメージになり、肌馴染みの良いものになったので、そこが受け入れられているのかなと思っています。

たくさんのこだわりがつまっているエロティックラヴァーズ。開発期間もかなりの歳月を費やしているのではと思い、質問してみました。

編集部（I）：「エロティックラヴァーズ」の開発にはどのくらいの期間を要したのですか？

商品開発M：これはメカニックに本当にオーソドックスなものを使用し、ゲルトーマという素材と出会えたことで3ヶ月という比較的短期間で開発できました！

編集部（I）：3ヶ月？！
漠然としたイメージですが、開発には1年ぐらいかかると思っていました･･･

商品開発M：もちろん、開発に1年かかる商品もあります。
ただ、エロティックラヴァーズに関しては、使いやすさを重視して機能をオーソドックスにし、新規の機能を取り入れませんでした。
またこの素材と出会えたことで、即「これで行こう！」と。
その結果、3ヶ月で開発できましたね。

編集部（I）：なるほど。開発時に苦労した点はなかったのですか？

商品開発M：ゲルトーマが大量生産できないという点は苦労しました。
一般的に出回っているエラストマーという樹脂の素材があるのですが、ゲルトーマはこのエラストマーという素材の成分と一緒なんです。
製法が違うためこういう独特の質感が生まれるのですが、じつは大量生産できないんです。
そのため、1本、1本作るのにかなり時間がかかってしまいます。
メディアなどでご紹介いただく機会があると、一時的にご注文いただく数が増えるのですが、生産が追いつかないというところで、苦労しています。

左から、エロティックラヴァーズ、エロティックラヴァーズ・シスター、エロティックラヴァーズ・ベイビー

発売して10周年のエロティックラヴァーズは多くの女性に愛用されており、リピーターも多いそうです。
コントローラー部分はスライド式となっており、操作性は非常にシンプル。
また、リピーターの意見が取り入れられ、これまでに3種類の太さ・サイズの異なる商品が発売されていることも人気の秘密なのかもしれません。

エロティックラヴァーズと相性の良いローションが3月に発売？！

じつはエロティックラヴァーズに使用されているゲルトーマ素材と相性ぴったりのローションが今年の3月に発売予定という情報をいただきました！
その名は「ラヴァーズローション」！
このラヴァーズローションは女性向けに開発されたローションで、アミノ酸ミネラルイオンというものを配合しているのだとか。
ミネラルイオンには銀イオンや銅イオン、亜鉛イオンというものが入っており、菌を抑え、カビやウイルスなどの発生を抑える効果があるため、安心して使うことができるそうですよ！

anna love magic アンナラブマジックについて

こちらがアンナラブマジックです。女性でも手に取りやすいかわいいパッケージですね。

anna love magic アンナラブマジックの詳細はこちら

編集部（I）：こちらのアンナラブマジックはどういった商品なのでしょう？

商品開発M：アンナラブマジックは興奮度を上げて、ムード作りをお手伝いする商品ですね。
バニリルブチルという唐辛子に似た成分が入っており、微弱に身体を火照らせ、かぁーっと熱くさせる効果がある成分を含んでいます。
他には一時期飲料水でも見かけたシトルリンという、血行を良くする成分を含んでいます。
効果には個人差があると思いますが、この商品をデリケートゾーンなどに塗ることで血行が良くなり、火照りなどを感じられます。
そのためプレイ中のスパイス的な感じで使用していただいたり、今日はすごく盛り上がりたいというときに使用していただけると、いつものプレイがまた変わった感じになるかと思います。

編集部（I）：なるほど。きっかけ作りに使用するのが効果的なのですね。

商品開発M：そうですね。唐辛子に似た成分が微量とはいえ入っておりますので、お肌の弱い方は使用の際に注意してご使用ください。
たくさん付ければ熱くなりますので、最初は米粒くらいの微量から少しずつ使っていただいて、デリケート部分に触れる際に、愛撫しながら量を試していくと気分も盛り上がるし、良いと思います。

編集部（I）：開発にはどのくらいの期間を要したのでしょうか？

商品開発M：アンナラブマジックは結構かかりましたね。
成分の配合調整が難しく、熱くなりすぎてしまって痛くなってしまったこともありましたし、テクスチャーが緩すぎて塗るときにびちゃびちゃになってしまったり、固すぎて伸びが悪くなったりと、何回もサンプルを試しました。そのため半年以上はかかりましたね。
また、テスターをお願いするのにも苦労しました。ただ、その甲斐あって、販売してから
もう7周年を迎えました。

編集部（I）：７年も愛用されているなんて、すごいですね！
発売してから今までに成分などを変えたところはないのですか？

商品開発M：変えてないですね！ただ、発売してしばらくは全然売れませんでしたね。

編集部（I）：そうなのですか！

商品開発M：発売から時間をかけて徐々に浸透していきましたね。
アンナラブマジックは量が少量ですが、1回分の使用量が米粒から小豆大ほどなので5～6回は使用いただけます。
しかし、それでも消費スピードが速い商品のため、お蔭様で多くのリピーターの方がいらっしゃいます。

テクスチャーはこんな感じ。1回分の使用量は画像と同じ米粒から小豆大ほど。

Lovely Confidential ラブリーコンフィデンシャルついて

こちらがラブリーコンフィデンシャルです。化粧品のようなオシャレな見た目です。

Lovely Confidential ラブリーコンフィデンシャルの詳細はこちら

編集部（I）：ラブリーコンフィデンシャルはどういった商品なのでしょう？

商品開発M：こちらはデリケートゾーン全体に使える美容液です。
化粧品と同じ成分を使用し、美白美容液と同じ成分で作っております。
デリケートゾーンはもちろん、乳首や腋などにもご使用いただけます。

編集部（I）：化粧品と同じ成分というのはうれしいですね。
これはどのタイミングで使用するのが効果的なのでしょう？

商品開発M：お風呂上りに化粧水と同じ感覚でご使用いただくと良いと思います。
個人差はありますが、使用したその日に潤いやハリを実感される方もいらっしゃいますね。

乳液のようなテクスチャーですがさらっとした付け心地です。

編集部（I）：なるほど。
脱毛や下着の摩擦によってデリケートゾーンが黒ずんでしまって、気にされている方も多いですよね。
やはりそういった声がきっかけで開発されたのですか？

商品開発M：そうですね。これは本当に私が作りたくて作った商品ですね。

編集部（I）：Mさん自身が作りたかった商品だからこそ、一番こだわったポイントはありますか？

商品開発M：一番こだわったポイントは保湿成分ですね。
年齢を重ねるにつれてハリが失われてきますので、ハリに効果的な保湿成分を多めに配合しています。
また、お風呂上りに使っていただくことを考慮して、クリームタイプではなくてジェルタイプにして少しさっぱりするようにしました。

編集部（H）：べたつかずに使用できるのがいいですね。

商品開発M：普段人から見られるところはお手入れする方が多いと思うのですけれど、それ以外のケアに関しては後回しになりがちだと思います。
とくにデリケートゾーンのケアは、アンダーヘアを処理する方しか関心がないように思います。
しかし、そういうケアも抜かりなく行うことでパートナーの方にも喜んでいただけるのではないかと思います。

今後の取り組み

編集部（I）：今後はどういったグッズを生み出したいか、目標はありますか？

商品開発M：今までと変わらず「需要が確実にある」商品というのを見極め、商品展開の幅をじわじわと広めていけたらと思っております。

ここで商品開発者であるMさんにアダルトグッズの開発者となった経緯や、アダルトグッズに関して気になることを質問してみました。

アダルトグッズの開発者となったきっかけ

編集部（I）：Mさんがアダルトグッズの開発者になろうと思ったきっかけはなんだったのでしょうか？

商品開発M：私は元々、下着の会社に勤めておりまして、弊社にもランジェリーのデザイナーとして入社しました。そのためアダルトグッズの開発を目指して入社したわけではないんです。
ただ、元から少しHなランジェリーが好きだったもので、アダルトグッズ開発の担当になったときもそれほど抵抗なかったですね。

編集部（I）：ランジェリーデザイナーさんだったのですね！
エムズさんの商品のランジェリーもデザインされているのですか？

商品開発M：現在、デザインはしておりませんが、商品のセレクトは担当していますね。

開発するときのポリシー

編集部（I）：アダルトグッズを開発するときに大切にしていることや、ポリシーなどはありますか？

商品開発M：やはり私が入社した頃は、まだまだ男性目線のグッズが多い時代だったので、女性が自ら「使いたいな、使っても良いかな」と思えるものをどういう風に提案していったら良いのかという点ですね。
やはり女性が最初のグッズを自分で購入するということは、あまりないのではないかと思います。
おそらく購入するきっかけとなるのは、彼氏や、旦那さんが使ってみたいということで使い始めるという方が多いと思うので、男性を完全に無視してしまうと、購入に繋がらない場合があります。
可愛すぎて男性から敬遠されないようなイメージを大事にしています。
また好みをあまり取り入れ過ぎないということも大切にしています。

日頃開発されている中で苦労している点は？

編集部（I）：日頃開発されている中で苦労している点はありますか？

商品開発M：苦労している点は社内に女性が少ないことですね。
少数の女性社員から開発中のグッズの意見をもらっているうちに（意見をくれた方の）好みが把握できてしまうこともありますし、女性社員も日々、様々な商品を扱っているため、開発中のグッズをプロの目で見てしまい、ユーザーの視点とは違った見方となってしまう場合もあります。

八十島：たしかに意見を出す際、自分では気付かないうちにプロの目線になってしまっていることはあるかもしれないです。

編集部（I）：日々たくさんの商品を見てらっしゃいますものね。

日頃開発されている中で楽しかった点や嬉しかった点は？

編集部（I）：先ほどとは逆に、楽しかった点や嬉しかった点というのはありますか？

商品開発M：少し下世話な話になりますが（笑）、開発した商品が売れて、結果が数字に現れると本当に嬉しいですね。

編集部（I）：興味を持って商品を手に取った方がその数だけいるということですものね。それは大きなやりがいですよね。

商品開発M：はい。ただ、生産が追いつかないこともありまして、困ってしまう反面、嬉しい部分もあり複雑です。

開発者さんの目線からアダルトグッズを選ぶときのポイント

編集部（I）：開発者さんの目線から失敗しないアダルトグッズの選び方などのアドバイスはありますか？

商品開発M：失敗しないアダルトグッズの選び方ですか･･･
人によって相性もあると思うので、おそらく最初に購入したグッズで相性の良いグッズに出会うことはあまりないと思います。
難しいところだと思うのですが、自分が欲しいと思ったものを試していただいた方が
愛着が湧きますし、良いのではないでしょうか。

お手入れについて

編集部（H）：アダルトグッズを使用した後の取り扱いについてどうすれば良いのか迷うことがあると思います。
たとえば、バイブレーターを使用したときのお手入れはどうしたら良いのでしょうか？

商品開発M：専用のクリーナーもあるのですが、もし頻繁に使われる方でしたら普通にハンドソープで洗っていただいて、キレイな布でしっかりと湿気を取っていただければ大丈夫です。
ただ、あまり長期間保管していたり、初めて使う場合は除菌クリーナーなどでお手入れしていただいた方が安心かと思います。

編集部（I）：なるほど、お手入れ大事ですものね。

エムズオリジナル商品を使ってくださっている方へメッセージ

商品開発M：弊社商品をご使用いただき、誠にありがとうございます。
女性にも性欲は当然あるものだと思います。それをオープンにする必要は決してありませんが、抑制する必要もないと思います。
性に対してもっと貪欲に、正直になっていいのではないかと思います。

まとめ

3回に渡り、お届けした取材も今回が最終回です。皆様いかがでしたか？
普段聞くことができない商品開発の話は、興味深い内容だったのではないでしょうか。

今回のインタビューの最後、Mさんがおっしゃっていた、「性欲はオープンにする必要はないが、抑制する必要もない」という意見に共感しました。
おそらく女性は性欲があるということを「はしたない」と感じ、抑制することが多いのではないでしょうか。
もう少しだけ自分の身体に正直に生きても良いのかもしれません！

今後もガールズポリッシュ編集部では様々な取材を行っていきますので、お楽しみに！